バブルが弾けて早数十年経ちますが、一向に景気が回復する兆しがありません。良くなるどころか、社会状況はどんどん悪くなっておりブラック企業の横行や自殺者の増加、労働環境の悪化や社会の高齢化などなど生きていく事の不安材料は枚挙に暇がありません。今回紹介する著書に出てくるホームレスの方も、まさか自分達がホームレスになるなんて思ってなかったです。そりゃそうです、元々会社経営してたり仕事が順調に行ってたんですから。別に怠惰だったり反社会的な方達では無いんです。
今の時代、特に男性であればホームレスになってしまっても全然おかしくありません。ちなみに、ザックリとですがホームレスの95%位が男性で残りが女性です。確かに女性のホームレスって滅多に見ないですし、僕は生涯で2回しか見た事がありません。
では、これから数名のホームレスの方達の転落話やホームレスの日常・収入源などを紹介していきたいと思います。
藤川利夫(52歳・元大手総合商社財務部次長)。現住所:日比谷公園を中心に新橋、銀座界隈を徘徊。生活状況:雑誌拾いで1日1000円前後の収入。食事はコンビニの廃棄弁当など。
この方の転落の仕方は割と正統で、長年同じ会社に勤めていたがバブル崩壊で給料が悪くなってしまい早期退職の案内が社内に掲示されていました。「傾いている会社に居ても仕方ない。退職金は貰える内に貰っておいた方が得。」という事と、「次長まで昇ったキャリアがあるから再就職もさほど難しくないだろう」との思いで退職しました。
早期退職したはいいが、全然再就職出来ずに奥さんとの間に不協和音の末離婚。そのときに「自分は大企業に居ただけで外に出たら自分の力なんて屁みたいなもんだった」と早期退職に応じた事を物凄く後悔されていました。
池田政和(57歳・元自動車部品メーカー管理職)。現住所:代々木公園。生活状況:雑誌拾いで1日1500円前後の収入。食事はコンビニの廃棄弁当など。
この方は元々「リストラする側」だったのですが、会社の経営状態が悪くなってからトイレ掃除や残飯処理などをやらされる様になりました。屈辱的だが、年齢の事もあり耐えていたがいつのまにか「リストラをされる側」になってしまいました。元々リストラする側であった為社内からは「ザマアミロ」と誰も同情一つしてくれなかったとの事。
もう、そうなってしまうと上記の例の様に坂道を転げ落ちる様に路上生活へ突入。未だに「何でこんな事になっちゃったんだろう?」との事。
米山哲郎(31歳・元電機部品加工会社勤務)。現住所:池袋の歓楽街。生活状況:住まいは店が借り上げた板橋区内のアパート。賃料月4万円。月収約50万というリッチな生活。
この方は勤めていた会社を整理解雇されてしまいました。とは言ってもまだまだ若いですが、大企業を出た人や大卒者でも中々就職出来無いのが現代です。 おまけに特技や資格も無い為「やる気はあっても学歴や職歴ではねられて、まともに相手をしてもらったことがありません。」との事。個人的にはこの状況凄く凄く共感出来ます。
退職金は約10年勤めて120万。整理解雇された後は、派遣で働くも労働条件にデタラメばかり記載されていたとの事で早々に退職。たまたま夕刊で見た送迎の仕事に応募。内容は「デリヘル嬢の送り迎え」で昼の3時〜夜2時まで。月に3~4日程しか米山さんは休まない為、生活費を除き毎月「30万程」貯金しているとの事。現在で600万以上貯まっており(凄い!!)、1000万貯まったら故郷に帰り飲食店でも開こうかな?との事。
2007年の調査アンケートですが、その内容を紹介していきます。
ホームレスに生活に至った理由
直前の就労形態は?
主な生活場所は?
決まっている場合どこか?
収入源
食事
この本を読む以前に、個人的な人生経験から「世の中は冷たい」と感じていましたし、やはりそれが実態なのだと改めて思いました。 「明日は我が身」の現代の状況ですし、まだまだこの状態は続いて行くと思います。人生は十人十色で柔軟性を持って望まなければと改めて襟を正して明日からも生活して行こうと思います。悲しい話ですが、人間最後の最後に信じられるのは「自分しかいない」という事でしょうか?
生活に困ったら「生活保護制度を知る」や「借金問題を解決するには?」にも目を通して見て下さい。
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