日本を降りる若者たち(下川裕治)

外こもり

下川裕治(しもかわゆうじ)日本の旅行作家。生年月日は1954年6月8日 。性別は男性。長野県松本市に生を受ける。

今回紹介するのは著書「日本を降りる若者たち」です。主人公は、下川さんではなく本の中に出てくる「外こもり」をしている方達です。そもそも「外こもり」とは何かと言うと、「1年の殆どを物価の安い国で過ごし、お金が無くなって来たら一旦帰国し短期間で一気に滞在費用を稼ぎ、また海外に行く」というものです。海外で引きこもるって意味です。

日本社会に弾かれた人達

著書の中の主人公達は、皆日本社会に弾かれてしまってそれぞれ閉塞感を感じており、物価の安いタイの「カオサン」という所で外こもり生活を送っております。物価の安さの目安ですが、「ドミトリー」という複数人の知らない人達同士で、一つの部屋に泊まる形式ならば日本円で約300円とかです。僕もエジプトに1ヶ月行った事がありますが、そこのドミトリーもそれ位の値段でした。

主な登場人物の性別は男女それぞれ居て、年代は20代後半〜40代までと幅広いですが、共通点としては再度になりますが「社会に弾かれてしまった」と言う事です。そして、ここで注目して欲しいのが、外こもりの最低年齢は20代後半という所ですね。社会に出て数年もすると、人それぞれですが、思うところが出てきてしまう、、、という事でしょうか。

空気を求めて彷徨う

この本を読んで強く感じる事は「閉塞感・この先どうしたらいいか分からない」という如何(いかん)ともし難い問題です。人生の中では付き(まと)う事柄です。

その事に苦しめられて日本に居ては呼吸が出来ないというばかりに、窒息する前に空気を求めてタイに来るんです。タイは国民性が日本程きっちりしてなく「楽をする事を考えており」、働いてない成人男性も多い事から、世間から白い目で見られる事も無く日本には無い「ゆるさ」がある様です。

こればっかりは海外に出て現地の空気に触れてみなければ分からない事ですが、確かに「国民性」というものは存在しててエジプトは「随分いいかげん」でした。

上手く逃げられるか?

この本の主人公達は完全にタイに移住した訳では無く、1年の内2~3ヶ月位は帰国して一気に稼ぎまた、カオサンに戻って行くという生活スタイルを送っています。結局の所「外こもり」とは日本社会からの逃避なので、「上手く逃げ切れるかどうか?」が大事な事ですが、それは中々難しい事だと思います。

何故ならどこまで行っても自分は「日本人」という事実は変わらないし、何より光を探すのも「自分」なら引き戻そうとするのも「自分」だからです。

個人的には外こもりは、あまりピンと来なかったです。ヒッピー&ややアウトローな僕の感性にグッと来るかな?と思っていたんですけどね。ただ、確かに閉塞感を感じる事は生きていてありますし、その時に海外に行きたくなる気持ちも良くわかります。

誰が何て言っても人生は一度きりですから、どうしても閉塞感に押しつぶされて死んでしまいそうなら「選択肢の1つ」として持ってくおく事はアリだと思います。この言葉は自分に言ってる部分もありますね。。。

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