女子刑務所~知られざる世界~(外山ひとみ)

意外に知らない女子刑務所の実態

犯罪は何も男性だけが犯すものではなく、当然女性も犯します。この著書はそんな女子刑務所の事を取り扱ったものです。個人的には、男女問わず誰の中にも善悪があり、そのバランスで生きていると思ってます。状況によってその均衡が崩れて罪を犯してしまうのではないのかと。

女子の場合は男子と比べて凶悪な犯罪は少なく、トップ2が「覚せい剤」「窃盗」です。

子を殺めた受刑者

著書の中に出てくるAさん(25歳)は、自分の子供に暴力を振るって殺してしまい懲役4年半。あどけなさが残り一見すると、これ程の罪を犯したとは思えない。詳細を追っていくと、若くして妊娠し結婚。そして、離婚。その後は、シングルマザーとして子供達を育てていたが、殺してしまった子供は他の子と比べて言い方が悪いですが、出来が悪く徐々に育児ノイローゼに。

その事や生活苦のストレスから徐々に暴力を振るうようになっていってしまった。その他には、A子さんが子供時代に親からかなり厳しく育てられており、「今回の事件にその影響はあったか?」との問いには「厳しくしたくないとずっと思ってた。でも、子供が生まれて気づいたらやっぱりそうなっていた」という言葉が印象的でした。

刑務所の1日

刑務所での1日はやはり規則正しくガッチリ管理されています。ざっと紹介していくと

  • 6:30 起床・点検
  • 7:10 朝食
  • 7:40 刑務作業
  • 10:00 運動(作業の合間に30分程)
  • 12:10 昼食
  • 12:40 刑務作業
  • 16:30 還室
  • 17:10 夕食
  • 17:40 余暇
  • 21:00 就寝

因みに1部屋だいたい6〜8人で、女子刑務所特有の問題があります。それは、男子刑務所の収容率は90%くらいですが、女子は115%位あって刑務所の数が足りてません。なので、長期受刑者と短期受刑者が同じ部屋で過ごす事になる、、、なんて事もザラだそうです。

受刑者たちの「おつとめ」

刑務所の中にいる間は一番時間が割かれるのは刑務作業で、主に4つあります。1つ目は「生産作業」と呼ばれる工場での作業。2つ目は社会に労務を提供する「社会貢献作業」。3つ目は施設の運営に必要な「自営作業」。4つ目は資格や免許の取得を目標にする「職業訓練」。

人間、刑務作業とはいえ長くやっていると上手くなるもので、毎年6月に東京で「全国矯正展」なるものが開催されており、そこには各刑務所の受刑者が作成した作品が出品されている様です。リーズナブルなお値段で買う事も出来るそうです。そういえば、以前ニュースでどっかの少年院で作成された「獄」と書かれた前掛けがデザインが良く、売れていると見た様な記憶があります(苦笑)

刑務所とは、当然ながら「法を犯した罰」で入る所です。この世の中は勧善懲悪ではありませんし、上手くいかない事の方が圧倒的に多いですが、出来れば一生縁無く過ごしたいもんだと思いましたね。

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