この事件が発生したのが2007年なので、もう10年位前になるんですね。この事件は犯した罪よりも逃亡生活が凄まじくて、市橋容疑者が逮捕された時に詳細をニュースで知った時には生命力の強さと行動力に驚きました。その事を最近急に思い出してググった所「本を出してた」事が分かり手に取ることにしました。
まず、本の詳細を紹介する前に市橋容疑者の事を大まかに書きますね。調べて行くと非常に恵まれた環境・能力・容姿で現代風に言うならリア充で、ヒエラルキーは上の方の人間でしょう。
さてそのスペックですが、身長180cm越え・国立大学卒・英語が話せる・空手黒帯・学年1の俊足・結構イケメン・両親共に医者・絵も上手い・地元の名家でお金に困らない等々、、、書いてて自分との差に吐き気を催しました。自分が思ったのはドラマの中に出てくる人そのまんまだと思いましたし、現実にこんな人間が居ることにビックリしました。
自宅マンション付近で警官4名を振り切る事が出来るのがまず凄いです。ここから始まり、当時市橋容疑者は28歳でしたが家庭の環境からお金に困った事が無く働いた事も無いらしいかったんですが、野宿をして北は青森から南は沖縄まで転々としてたらしいです。沖縄にある「オーハ島」という無人島を拠点にサバイバルしていたエピソードは、こういう言い方は変ですが面白かったですね。
野宿とは言え逃亡生活を続けていると当然お金が無くなってくるんですが、資金は「飯場」と呼ばれる土木工事や鉱山の現場にある、労働者の合宿所で稼いでいたようです。著書の中で飯場は3つか4つ程出てきていました。「飯場」には市橋容疑者以外にも世間的にワケありな方が集まりますし、手配されているので見つかる予感を感じると、その都度飛んでいたようです。
逃亡生活中に警察に追い詰められている事を肌で感じていた市橋容疑者は、捕まって世間に晒れる事だけは避けたいとの事で、これ以上逃亡生活は続けられないと悟りました。そして、オーハ島に戻りそこでの餓死を決意し大阪港から沖縄に戻ろうと船を待っているその時に捕まってしまいました。
この人を語る上で凄く印象的だったのが「2つ」あります。1つ目は、逃亡する為にセルフ整形をしたことです。自らハサミでホクロや唇を切ったり、鼻に針で穴を開けたりと完全に常軌を逸してます。考えついても普通は本能が邪魔して出来ませんが、、、ね。
2つ目は、捕まった後に徹底的に抗議する為か2週間絶食したらしいです。それで死なないのは市橋容疑者が凄いのか人間の生命力が凄いのか分かりませんが、何れにせよ凄まじい執念です。
この本を読んで思ったのは、市橋容疑者は何か一つ違えば・世が世ならば類稀なる執念と行動力でかなりの事をやり遂げる事が出来たであろうという事ですね。色々と惜しい人だと思いました。
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