現代を生きる人の聖書になり得るかもしれない?!

悪名高い「完全自殺マニュアルを読んだ」

この本は結構前に発売された本で、名前だけ聞いた事あるって人も多いかもしれません。当時120万部程売れた著書でその内容から色々と問題になった様です。こういったサイトを作っている僕の心情としては、この機会に一度は読んでおかなければと思い手に取りました。

完全自殺マニュアル冒頭の言葉

僕の知人に、それを飲んだら平気でビルから飛び降りちゃうほど頭のなかがメチャクチャになっちゃう"エンジェル・ダスト"っていう強烈なドラッグを、金属の小さなカプセルに入れてネックレスにして肌身離さず持ち歩いている人がいる。

「イザとなったらこれを飲んで死んじゃえばいいんだから」って言って、定職になんか就かないでブラブラ気楽に暮らしている。この本がその金属のカプセルみたいなものになればいい。

世間の常識は非常識?

「人間」を何年もやっていれば死にたくなる事なんて1回や2回、3、4、5、6、7、、、と理由は人それぞれだと思いますが、あると思います。この本のタイトル・表紙は強烈ですが、自殺を推奨(すいしょう)するものではありません。上記に記載した通り「死を意識し、具体的な手段を持つことによって日々健やかに過ごそう」ってものです。逆説的ですが、死を身近にする事によって生を実感するというものです。

死にたくなる理由として大きいのは「今が延々と繰り返される事」「自分が無力でどうでもいい存在と思う事」らしいです、まあその通りですね。こういう事を言うと心無い人が「生きてたらいい事があるよ」「まわりの人が悲しむから止めときなさい」「自殺はダメ、悪」とか馬鹿の一つ覚えの様に言いますが、年間に日本では少なくとも3万人以上自殺で亡くなっているので、如何(いか)常套句(じょうとうく)が軽いもので抑止力になっていないかわかると思います。

そりゃ死にたくなるよ

この本の中で非常に胸が締め付けられた箇所が2つありました。1つ目は「人の一生」について。人それぞれ人生プランや展望があると思いますし、DNAに刷り込まれている部分もあると思います。

でも、大体の人々の一生は、地元の小・中学校に行って、塾に通いつつ受験勉強をしてそれなりの高校や大学に入り、その後どこかの会社に入社して、男なら20代後半に結婚し子供が生まれ、昇進や異動を経験し定年を迎え、20〜30年余生を趣味等で過ごし、死ぬ。

絶望的な事として今紹介したのが「理想的で安全な人生」って事で、さらに付け加えると、この本は今から約20年前に発売されており味気無いこの「理想的な人生」を送る難易度が現在は格段に上がってるって事。上手く生きてコレって、、、ね?

2つ目は、東京都の団地であった事例です。一家4人で暮らしていたが父親がガンで亡くなり、翌年に母が病死。同時期に妹がハゼドー病に(かか)り、姉の就職を機に生活保護の打ち切り。姉は、父の残した借金に妹の医療費、生活費の捻出に加え遺骨の受け取りを親族に拒否されて、生きる事が嫌になってきた。その後はサラ金から催促、無断欠勤する様になり退社、ゴミがベランダに放置されるようになっていった。で、近所の人が声を掛けた時に「もう構わないで欲しい」と答えた。

その後姉妹共々に餓死。近所の人が声を掛けた時には覚悟が決まってたんでしょうね。唖然とする位の不幸です。特に姉の肩に掛かった不幸っぷりは凄まじいです。どんなに努力しても報われないどころか、もがけばもがく程深みに(はま)り立ち行かなくなる。

勿論生きる選択も可能だったと思いますが、はたして自分がその状況になったとして生きる事を精神的に選択出来るか?、、、幾ら考えても僕は答えが見つけられませんでした。

選択肢しての自殺

「命は尊い」と教わってきましたが、実際はどうでしょうか?、今こうしている時にも誰かが自殺しています。ニュースを見ると「どこどこでいついつ自殺がありました。年齢〜歳、性別:男性 or 女性」なんて報道されますが、その人達も僕達と同じ様に生まれ、そう変わらず過ごして来たと思います。同じ人間が死んでるんですよ?ドラマや映画では無く現実の話です。こんなニュースが昔から連日連夜報道され続けている事に、僕は強い矛盾を感じています。

現代社会は閉塞してて息苦しいです。子供の頃から「正解がある事前提」で生きてきているので学生・社会人問わず不正解になったとき、ましてや正解か不正解か分からない時にどうすればイイか分からず、困ってしまうのかな?と思います。

この本の核は、「生きたけりゃ生きればいいし、死にたけりゃ死ねばいい。生きるなんてその程度のもの」って事です。確かにぶっ飛んだ意見でそう簡単に割り切れるものでも無いと思いますが、現代社会を生きる者の選択支として持っておく事に、あなたは完全にNoと言えますか?

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